変心/寒雪
暗闇の吐き出した
冷たい鼓動を感じながら
傷だらけのテーブルを前に
一人
手酌で赤ワインを
どれくらい口にしたのか
床に転がる
空き瓶を数えてみても
はっきりとはわからない
飲んだから酔うのか
酔うから飲んだのか
いつまでたっても結論の出ない会議
くだらない考えが
ぼくの頭の中でくるくる回っては消える
おぼつかないぼくの手元
気がつくと手のひらに
大量の赤ワイン
おまえのくちびるからこぼれた
あの日見た喀血みたいで
なめてみたけど
やっぱりワインは
どこまでいってもワインで
アルコールの痛みだけが
舌先を暴れまわる
緩やかに昇っては消
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