ふりだし/葉leaf
 


祖父は十月に亡くなった。肺がんだった。私は茶髪を黒く染め葬式に臨んだ。火葬が済み、家の墓に納骨する段になって、骨壺の入った箱を持った父は、「こんなに小さくなって」と悲痛な泣き声のような声を出した。その翌年の十月、今度は祖母が亡くなった。祖母が棺に入れられ、みんなで遺体を花で飾るときになって、従姉が急に泣き出した。涙が止まらないかのようだった。それらから十年経ち、兄は結婚した。結婚式で執り行われる厳粛な手続きの数々、そしてそれを堂々と実行する兄夫婦を見て、私は感激した。そして、翌年兄夫婦には赤ん坊が生まれた。父の喜びは言葉に尽くせないほどだったことが周りからも見て取れた。

これらの一連
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