自覚症状/
藤原絵理子
少女だった
遠い夏の日の
手のなかにあった
きらめく夢を
なにかべつの
ほんとうは
必要じゃないものに
すこしずつ
すりかえて
軽くなった肩に
安堵する後ろめたさを
かくすために
知識や教養で武装して
いやな
‘大人’になってく
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