祝婚歌/葉leaf
 
――G.J.へ

誕生と死との間に、もうひとつ誕生と死とがあるとすれば、それは君たちが今成し遂げようとしていることだ。二人だけの孤独が誕生し、一人だけの孤独が死に、さらには孤独が社会の祝福の中へと開かれていく。君のさびしい鼓動にはもう一つの鼓動が同期する。舞台は開かれたのだ。

僕と君にとって哲学とは何であったか。哲学は滅びていく中で装いを変えていき、君主的な哲学が打倒されることで民衆の哲学が掲げられていった。君は今民衆の哲学の最高の体系を築こうとしている。それはどんな講壇哲学者も理論においてはなし得なかったことであり、君は理論の外で一つの情緒の高
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