朝食まで/末下りょう
朝靄のなか
Mr.レンビンは、ありきたりに憐れんでいた
空を、そよ風をあわれみ
音を、つばさをあわれみ
湖を、呼吸をあわれみ
棘を、音符をあわれみ 、
鏡を、必然をあわれみ
光と影、血管をあわれみ
種子を、炎をあわれみ
少女を、感覚をあわれみ
稲妻を、花束をあわれみ
天秤を、約束をあわれみ
思考を、膝かけをあわれみ
愛を、フォークをあわれみ
肌を、距離をあわれみ
傘を、可能性をあわれみ
石鹸を、秘密をあわれみ
自我を、靴下をあわれみ
角砂糖を、少年をあわれみ
設計図を、愛撫をあわれみ
、
価値を、窓際をあわれみ 、
意味を、ウィンカーをあわれみ
犬歯を、紙切れをあわれみ
水溜りを、星座をあわれみ
夜明けを、把握をあわれみ
Mr.レンビンは朝食の準備が整うころ
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ジコ.レンビン氏に捧ぐ__
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