どうして/yamadahifumi
『時』が『時間』になるまで
僕達は一体、いくら待てばいいのか
僕の言葉を解釈したとして
その解釈にも言葉そのものにも
多分、何一つ確かな意味は含まれていないのだろう
もし、今、世界が存在していなければ
この僕はここに存在しているはずだ
もし、人々が何かであるのなら
僕とは多分、亡霊であるにすぎない
『時』が『時間』になるまで
一体、どれだけ待てば良いのか
今、川の上を一人の老婆が
小舟に乗ってゆっくりと流れていく
その老婆が身につけていたピンクの下着は
僕が三年前に駅で嘔吐した時に見たそれと
全く同じものだった
『死』が訪れる前に
僕は死ぬだろう
その時、君は僕の目を覗きこんで
次のように言うだろう
「どうして、あなたはそんなに生きたいの?」
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