「知ってるかい」 (即興五首)/もっぷ
 
昔はね、そう切り出してそのおんな左手首を朝陽にかざす


夢みたい、少女だったらそう言えるもっと無邪気に無垢な声音で


放っといて、神に誓って言えるのにどうして君は嘘と決めるの


さようなら、生涯一度の科白だと沁みてるひととまだ未知なひとと


知ってるかい、リスボンに飛ぶ飛行機は西池袋の零時を棄てる


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