詩に何を書こうか/yamadahifumi
 



久しぶりに田村隆一詩集を開いて

そこにある言葉を一つ一つ拾ってみる

「文学」なんて名がついて

「詩」というジャンルに分類されて

まるでそんな事を笑うかのように

ただの酒飲み老人の日記であるかのように

そこには沢山の詩が綴られている

おそらく、詩とは本来

このようなものであるべきなのだろう だが

僕達には描くべき生活がなく しかも

社会システムによって生産された喜びしか味わえないとすれば

一体、何を詩に書けばいいのか

答えーーーー「何もない事

書くべき事など何一つないという事

それと今気付いた

左の手の平にできていた『イボ』について」

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