よせて あげて/末下りょう
 
いつもは飲むより食うのが得意なモエモエが今日は酎ハイを4杯も空けている。多分バレンタインが近いからだろう。いまモエモエは彼女のいる人が好きなのだ。どうしようもなく好きなのだ。恋する乙女はよく酒を飲む。

でも彼女さんに悪いよなーとかあの顔見てるとたまらなくキスしたくなっちゃうんだよねーとか匂いがいいんだよねーとか色々言っている。バレンタインチョコは好き好き光線があんまり露骨に注入されてない感じのにしよーと独り言のように言いながら梅酒を注文する。

モエモエはつまみや料理にはほとんど手を付けず、シメのお茶漬けを啜りながらキャバクラ連れてってくださいよと言い出した。しょうがないのでたまに行くリ
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