我鬼窟主人と飢餓靴女/salco
芥川龍之介とマリリン・モンローは
一、生母の狂気遺伝にぼんやり怯えていた
一、心身疲弊と神経症状に苛まれていた
一、常用眠剤プラスαで眠り死んだ
傑出の質量はあたかも
恒星の急激な収縮のごとく
往々にして悲劇的宿命を負うのだとすれば
天才とはやはり
芥川が執拗にのたまう「良心なき神経」
その感度と精度に違いなかった
かくてドラゴンチャイルドは
特異な苦悩の罹患に至る
電柱に等しい同輩に対し
菊池寛、堀辰雄なんか誰が読む?
鈴木三重吉、宇野浩二 誰だそれ?
天才だけが時流の淘汰を残り
意義を示す
その創造が
おぞましい脳の隔絶によっての
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