poetarot(法王のカード)保存版/みつべえ
 
持は、まかせておけ。悪いようにはしないぜ、わたしは。きみたちに、選ばれたのだからね。絶対多数で。



青空。鳥のように、擦過する。傷のある、額を。思い出は、寄り添う。石に。誰も、触れるな。わたしだけが。知っているから。ささやかな、しかし。かけがえのない、秘密で。むすばれた、かなしみが。あふれる無言に。花を、供えて。立ち去る。



苦しみや悲しみがつづく時間は途方もなく長く感じるが、ある意味、人生をもっともよく味わっている、ということになろう。それは、宗教の救済マニュアルに。似ている。



冬の軟骨を、軋ませて。風が、吹きぬけてゆく。わたしの、ささやかな熱量を。感
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