キバナコスモス/
藤鈴呼
聞かせぬように 耳 塞ぎ
餃子みたいと 笑います
肉汁の 溢れるキャベツ 砕いたら
不安も 痛みも 散り散りに
そう願いつつ パチンと つけた
テレビの音で かき消されるは
世摘めと知らぬ 爪切りの音
ボタンと ボンタン 風鈴に詰め
そっと流した 海の奥
陶器の肌が 微笑います
ねえ 冷たいの 哀しいの
あなたの 心 温かいでしょう
ちょっと こちらに つけておいたら
つけものみたいに なるかしら
わたしの こころ うるおうかしら
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