白い白い白い/カンチェルスキス
主人公の裏声に
まぎれようと準備して
そこにいる
・
観客不在のショーの始まり
五段階の高さに並んだ鉄棒の 水滴
誰か味方につけたいと思いながら
耐え切れず 落ち そ うで
地面にしたら 落ちても別に構わなくて
落ちなくて
地球の回転は光の推進ごとに加速する
個人的に水流を一つ結んで 落ち た
ブランコの鎖についた 水 滴
・
サッ カーゴ ールは
ポストの角に意識を集中させたまま
自殺を終えた ネットの網の目の向こうに
空っぽの電車が
通り過ぎる
・
閉じた傘を振動させる 手と息と
足音が 移動しながら 白い 忘れそうになるほど
白い 白い 白い
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