きゃりーぱみゅぱみゅが、上手く言えない/小林螢太
私は幼い頃早口で
軽いが、どもることがあった
母親でさえ、聞きなおすことがしばしばだった
さすがに長ずるにつれ、本人も自覚して
早口をおそくするように心掛け、発声に気をつけて
治そうと努力した
早口言葉をよく練習した
甲斐あって
少しずつそれは改善していった
今ではそんなに目立つことはない
しかし
口下手であることは
変わらなかった
いや、口下手だけでなく
いろいろなことについて
不器用だと思う
これまでの半生を振り返っても
あの時、こう言えば、こうすれば、など
数えればキリがない
誰にでも、それはあることだろう
それらは記憶の中で
忘れられない後悔となり
こころに
大や小の澱となって、いつまでも残っている
時が過ぎるにつれ
少しずつ薄まっていくが、
それにしても、今でも
きゃりーぱみゅぱみゅは、上手く言えない
戻る 編 削 Point(20)