二〇一三年最後のノートから 2 (一〇首)/もっぷ
 
晩秋の苗からの君ベランダで匂う名前はパンジーという


ヒメジョオン春に一筆書くけれどごめんノースポールが可愛い


ラグラスかバニーテールかどちらでも可愛い君を呼ぶに足りてる


山野草あんなに強く咲いていて連れて帰って一夜で消えて


真夜中にグラスを割って泣きっ面破片ざわめき「置き場が悪い」


君はいま何をしてるか午前二時ニッポンに時軸一本だから


肌澄まし聴いてる冬の体温はもしか胎児の頃の記憶か


コスモスやヒマワリの無い不思議さを纏った町にさくらあります


こども用みたいな林檎買い求め真田の庄の思い出閉じる


夢の前ベッドに灯すLED不思議だ歌を産み落とすとは


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