スーパーから帰ってきた時に思った事/yamadahifumi
スーパーの買い物袋を持って
踏切の前で電車が通りすぎるのを
僕は待っていた
その時、電車が僕の前を横切り、そしてその刹那
明るい車内の中の人達の姿が一瞬だけ見えた
人々は退屈しているようでもあり、また飽満しているようでもあって
その多くがスマートフォンをいじっていた
人々を乗せた電車が去ると
踏切のバーが上がり、並んでいた僕らは前へと進んだ
僕は人々を後にすると
自分の食料を自分の家に運ぶために
帰路を辿った
・・・あの時、通り過ぎていった人々の中にもう一人の僕がいたとしても
今の僕はその僕に気付く事は決してなかっただろ
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