空にさよなら日記/八男(はちおとこ)
 
オからは、強いインパクトを感じたが、
同時に呆気に取られた感もあった。
  どんな夢を見ていたのか、いつものことなのか、アル中!と叫びながら起き上る草刈さん。ただ、その場所は、ぼんやりするしかなかったのかもしれない。しかも力のあるぼんやりで、そこに魔物でもいるかのようだった。そう、そこにぼんやりがいた。それが、乾いた週刊ポストをめくりさえするのではないかと思われたほどだった。いますぐ抜け出したいとまでは思わなかったが、これが旅というものなのだと思った。

(ぴょー。)

「おっと、ごめんごめん。」
  草刈さんがオナラをした。体は年齢以上に老化しているのだろうか。気の抜けたオナラだ。
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