蛾とLP盤/六崎杏介
１
蛾sボンベイのカタコンベにて
エミールが列記した花々のミイラ
瓦礫下の耳らを魅入るLP盤
擦過傷にてLoopす音楽は
「結婚行進曲」 を拝聴した
内燃仕掛けの蛾sボンベイは
灰から蝶を無数に造ると
爆発した 花ミイラの灰を燐粉に
無数の蝶は初夏のチャペルへ散っていった。
２
空の椅子「Ur」はToy-劣等 楽団を吊るすロープ
蛾の列記したLP盤のノイズは遥か瓦礫下の睦言
万農is天圃を歩く少年のモールス-テンポが
ロープを揺らせば斜交いの蓮飼いが声を零す
太陽と蜂と車の為の賛美歌に満ちれば
ヴィーナスがToy-劣等の上に座り込む
砂を慰撫すると其れは時計になった
永久に目覚めない種子の詰まった水晶だった。
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