日のでなかった日/番田 
 
今日は定期を忘れていた
でも金を払って
会社へ行った
誰もそのことは知らない 
時の知らない中だった
憂鬱な気がしていた そして
外を流れる景色のことは覚えていた
電車の中では僕を見る人はいない 死んでいた
でも早く春が来ないかと思っていた
雑誌売り場で積み重なった本たち
何人かの大根のような足をした
女性の姿を見かけた
でも広い駅の中や
広い景色の中は自分が小さすぎた だけど
寂しいとは でも 思わないのかな 広い
ホームの端っこだった
午前中の光を 浴びている でも
怪訝な目で見ているいつもの僕

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