蝶の夢/人の形した生き物
出た蝶は嘆いた
行く宛もなく彷徨う内に食料は尽き水も失い
愛し愛された平和を恋しく思う
ふらりと視界が揺れた時
どこからか穏やかな声を聞いた
疲れた身体に安らぎと潤いを与える優しい声を
後に街から兵士は姿を消し
捜索は打ち切られた
人々は安堵し蝶を思い泣いた
旅の男が蝶を見掛けたのだという
砂漠の中心に位置するオアシスで
蝶は眠りについたのだ
鮮やかな草花に包まれ
ゆったりと揺蕩う水辺で
いつしか美しい花になるだろう
他サイトより引用※自作
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