哀しい歌/君の温もり/*くろいうさぎ*
雪が降り
終わりを告げ
また始まる可笑しな世界
いつでも世界に反発した私は
何処が世界なのかわからなくなった
君と出会って
初めて世界の中心を見つけた
私と君が世界の中心なんだと
君を抱いて
口移しで食べたチョコレートが
いつまでも甘い香りでここに残っている
左手に君の手があって優しく繋いでみる
それでもあの頃は戻ってこなくて
あの月最後まで付けていた君の薬指の指輪が
小さく光って私の涙となった
涙は君に届かず
ただの雫
ポタポタ落ちて枕元の染みになるだけ
夢で逢う君は幻で
現実を見る度幻は見えなくなっていった
君は自らこの世界から居なくなった
其れは突然でとても儚かった
儚い命だった
今はまだ哀しい歌だけど
この歌が強い未来へのレターとして
私の心に響くように
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