金色の水ージャズ喫茶・ちぐさにてー/
服部 剛
金色のジョッキの中で
無数の気泡が昇ってる
(この世の重力と、逆だねぇ…)
そう思いつつジョッキを片手に
金色の水をぐい、とひと飲みすれば
火照った頬はあたたかく――
日々の悩みも歓びも、過去さえも
いつしかジャズに解(ほぐ)されて
段々…ふんわり
金色の朧(おぼろ)な時になってきて
生の麦酒(ビール)の苦みさえ
愛しく味わう、僕がいる
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