オンザレール/末下りょう
首なが族の少女が耳にあてたアイフォンからきこえるウォール街の足音は、ジブンヲカンジョウニ入レズニ通り過ぎるようで
プラットホームにとり残された風が
形の悪い、過冷却の耳を凍らす
(3830番ホーム、透明な現在 行き、列車がまいります。図形を壊さないよう足下の円を踏まないでお待ち下さい)
アルキメデス線2:3号車は96角形の車輪を回転させながら放物線を描き、熱光線のライトを パ、パ、 となにかのシグナルのように点滅させて到着する
黄金のドアが開き
ヘリオスの牛の群れと、大量のユリイカが含む憂鬱とが交錯する浮力を乗せて再びレールを走る
スクリュー
(強弱
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