あねもね/
Six
今だらんと花弁を全開し
夜なのになんだかまぶしいの
と、ものすごく不満げである
花屋の店先で
一束600円
白と紫と赤のあねもねを
この季節になると
わたしは探す
春とか愛とかいうのは
わたしには照れくさい
花屋であねもねを見つけると
わたしから勝手に
そっと挨拶をおくる
しかめつら同士は
仲良しなわけがないけど
雪雲からは
どうせ雪など落ちてこないのだし
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