断罪のバット/yamadahifumi
悪い事をした人には
何をしてもいいのです
いじめをした人にはどんな仕打ちをしても
許されます
だって、それは『正義』なので
差別した人、悪を為した人には
どんな事をしたっていいのです
そう言って、『正義の人』はまた
あの鈍く光る鉄のバットを
思い切り振り下ろしました
でも、その時に僕は見ました
その人のその顔には
実に嬉しそうな笑みが浮かんでいた事を
悪人を断罪するその時の
その人の実に楽しそうな晴れ晴れとした笑顔を
僕はその時にはっきり見ました
でも、あとでその事をその人に尋ねたら
その人は『そんな事は知らない』と言いました
それで僕はその日、一人さみしく帰りました
多分、明日にはそのバットが
僕にも振り下ろされる事でしょう
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