水の葬列/
がらんどう
濡れている足は響かずに沈む
ただ長雨が叩く水面の下
黒衣を纏う葬列は
禁欲者の残骸を掻き集め
漆喰の壁に塗り込める
墓碑銘もなく
知らぬ人が緋文字を記す
生の環の外周で
水の中を葬列は進む
裸足の一群は顔を隠し
僧服の下の痕跡のような
欲情に打ちつける雨粒は乾く
足跡さえも水に沈む
知らぬように静かに沈む
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