酒場の爺の世迷言/……とある蛙
 

小僧よく聞け本当は
いつも悲しい貧乏暮らし
生まれた家から離れずに
そのまま家族の面倒見
気づいて見れば俺独り
父も母もいなくなり、
結婚なんぞ面倒で
気づいて見れば俺独り

小僧よく聞けこの俺は
人を騙したことも無く
人と争うことも無く
人からまじめとうわさされ
ただの一度も泣かなんだ

小僧よく見ろこの俺を
今日を一度の世迷い言
今さら言っても始まらん
夢を見るには遅すぎた。
何を言ってもしょうもない

※過去作の改題加筆訂正したものです。
戻る   Point(10)