拾参憑き姥(ぼ)の暦うた/salco
 

神無みっかの富(十三)くじは
鬼門土塀にツキヨタケ
椎茸をよそおう裏黒みそ汁に
入れて夕餉に出してやろ

霜月ならばもうふつか
夜ざむに重ねる盃に
赤肌ぴりりの風呂立てて
動悸ほろ酔い血どろどろ

師走きたればついたちに
晴れて縁切り火を放つ
黄泉びと知らずの形見分け
通帳証券たずさえて

くちべに尺骨肥後守
おんなは花売る卵売る
湯灌羽二重抱き人形
手ふだ切ふだ褪せぬ内

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