日常漏泄/木屋 亞万
【四季累々】
たらたらと鼻血が出たらもう春が来たんだなってわかる啓蟄
精密な歯車愛に満ちていて刻み出される時の蜜月
抱きしめてやさしく殺して泣きながら私を燃やして土に埋めてよ
透明に近づく薄着日は長く薄曇る空風はつめたい
そだつたびうしなっていくこぬかあめこいみどりになりなつをまつくさ
青空の遠いところで膨らんだ眩しい白の最高の夏
目の前が見えないくらいの大雨が急にわたしの中に降る夜
イントロが流れた途端ひと気ない冬の夜道が目の前にある
【色欲】
文字通り女神のように美しい女性を崇拝したい童貞
長袖の白い衣服とブラジャー
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