日常漏泄/木屋 亞万
【寂寥】
ふくろうの骨格をみて少しだけ悲しくなったハイウェイと森
やせこけた我の心の貧しさよ地をはいさまよう腕の細さよ
全身を氷漬けして大砲で発射後すぐに赤く弾ける
憂鬱がおへその栓を抜いて血が一滴残らず流れ出て死ぬ
虚しさに言葉以外の何を持ち挑めと言うのか世の人々は
わたしとて名もなきひとのひとりですだれか名まえをつけてください
ないものを無理に感じる人たちの仰々しさに催す吐き気
今日もまたいろんな人の文字列がいろんな色で踊る液晶
深淵な眠りの底に沈みこむ写真以外は死に絶える僕
泣きそうで吐きそうな日にこみ上げる叫びの衝動しびれと疲れ
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