あとは自由が無いと言うだけ/
海鷹四季道
冬になると私の全てが痛む。
銀杏の葉が落ちゆく時期から、曲がった末端を責め立てる。
暖房で窓は曇り、外は遠慮のない風が吹く。
家の中にいても、親の冷たい視線と言葉が突き刺さる。
もがき苦しんでも、扉を開ける鍵を持っていない。
暖房と毛布と温かい飲み物。
閉じ込められた幸せで小さな空間。
今年もこの幸せな季節が早く過ぎればいい。
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