爪痕/森川美咲
 
今となってはもう
誰も私に触れはしない

あの日あの時
彼らの中で
うつむきおののき
ふるえた少女は
もうどこにもいない

それでも確かに感じているのだ
彼らの残した爪痕が
私の芯に潜って
息づいているのを

それは狂おしい
愛しさと痛み
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