君という楽器は鳴っているだろうか?/yamadahifumi
人生が一つのバイオリンだとしたら
その弦は確かに鳴っているだろうか
悲鳴や罵詈や愚痴によって
キイキイと汚い音を立ててはいないだろうか?
人生が一つのピアノだとしたら
それは精確なタッチによって弾かれているだろうか?
それはきちんと一つ一つの音色に意味が込められて
そうして美しい音楽として成立しているだろうか?
もし、君が一つのフルートだったら
それは天に向って吹かれているだろうか?
君はそれを地に向かって吹いていないだろうか?
その音色は自分の濁った感情で汚れていないだろうか?
もし、君が一つの楽器だったら
もし、君の人生が一つの音色だったら、それは他者と共に
一つのハーモニーを奏でる事ができるだろうか?
この雑音だらけの世界で
君は一つの音楽足りえるだろうか?
(・・・君だけが君を鳴らす事ができるのだ)
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