鮮度/寒雪
 
頭蓋骨の中で
産声をあげた言葉は
即座に成人を迎えるが
吐き出された刹那
暖められてた
体温も密度も
蒸発して消えてしまって
レコーダーで保護しても
中にはものまねみたく
自分に似た他人の言葉
受け止めたつもりでも
海馬の引き出しが
散らかってしまって
形を損なってしまって
取り出してみても
もうあの日の言葉
ではなかった
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