いいんだ/
石川和広
虹が
吹雪いてるよ
夜の窓は魔法であるから
てのひらに息を
当てて
もつれている糸を
たぐる、ダウンは
少しジッパーが
しまりにくい
川と友達になりたい
流れの無限に逆らい
ごめんなさいね
僕は
悔いを残したくは
ないんだ
宇宙が
川の底から
たくさんの
見えない電流を
僕に
かすかに
あながち
世界は続いたからね
と
手紙をおくる
誰に
鏡のように
虹に見えたのは
ネオンから
放たれる無数の
悲喜
ささんささん
いいんだ
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