薄明/織部桐二郎
 
恩寵がわたくしの上にあつた頃

わたくしは「かれ」を感じなかつた

その手はわたくしを去らず

圓光のなかなにを識るともなく…


恩寵がわたくしの上にあつた頃

わたくしは「かれ」をさとらなかつた
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