僕らの『凹凸』。/カンチェルスキス
ココアの作り方、彼女のおかしな長いものには巻かれろ体質、
僕は大好きだ。
この世からオランダがなくなったとしても、僕は彼女が好きだ。僕は僕が好きだ。
車の半ドアで点灯し続ける室内灯よりも好きだ。
僕はフランクおじさんで、彼女は、ビミョーなアンダルシア。
サルトルの『嘔吐』って近くの本屋で売ってなかったけど、僕は気にしない。
僕らの『凹凸』。これがあれば十分だ。
それは何で、何だ。
僕らはダイニングキッチンで満ち足りる。
夜空に忘れられた月よりもさびしくていい眺め。
僕らの『凹凸』には完成はないけれど、
完成に近づきつつあるんだと思う。
上空二万メートルからでもはっきりわかる欠落も
いずれ埋まると僕らは本気で思ってる。
でも、実際にはそんな美しい話じゃない。
ずっとうんこをし続ける定めにある僕ら。
そして餃子の包み方に進歩はないのだ。
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