鮫のための狂想曲/左屋百色
ひっくり返す水死体
君の詩を左脳以外で理解したい
コンビニ前で不意に出くわす闇
すべり台の上から見える鬼
匂いつき消しゴムをくれた君
机の上に白紙の辞書
遠くから聞こえてくる野球部のかけ声
黒板に三角定規を擦り付け奏でる音楽
舌の上では完成と未完成は同じ味
私は私の現代詩をメッタ斬る
嘆きの風に耳を切られ独白
こだまする盗作された口笛
心を五七五と切り分ける音律
一日中検索しても見つからない本音
窓の向こうで名前を浮き彫りにする黒煙
地下に埋まっている言葉の裏の歴史
感情移入できないオモチャの刃物
美しい草原に散らばる鉄の破片
それが錆びて紅茶になる夕方
懐中電灯で照らす3月の後半
罪と罰が逆になる瞬間
君は君の現代詩をメッタ斬れ
この胸の奥にある海で
鮫が次々と詩をくいちぎる現代、
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