鮫のための狂想曲/左屋百色
若葉が砂になるまで待つ季語
矢印と地雷ばかりの地図
365日うねり続ける言葉と髪
ケーブルに絡まり千切れた運命の糸
私のレントゲンに写る現代詩の影
精神が崩壊して的中させる針の先
カテーテルで注入する言葉の渦
ベッドの上から天井に撒き散らす星
夜空しか飛ばない鳥の羽根
目の前の過去を飲み干し美化
題名のない散文に対する批評と見栄
歩いても飛行機でも縮まらない距離
印象のない爪先につける流行の色
携帯から発信する約400の嘘
魔法が使えた5才の夏
使えなくなった7才の冬
未来の屋根が剥がれ落ちる町
鎖骨が折れて極彩色に輝く未詩
別々に動く身体と心と指
景色をひっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(10)