日々、折り紙/まーつん
負けて砂を噛んだ
校庭の悔しさの記憶は
ひび割れたプライドを象った
欠けた小石の形の折り紙
この
雑然とした世界に
戸惑いながら生きていき
一日、一日を折り上げて
記憶の棚に並べていく
その日の始まりは
何時だってまっさら
一枚の白紙
でも、
紙に触れた指先から
その日の彩が、流れ込む
つい、と一息に染まっていく
憂鬱だったら灰色に
陽気に弾けたらレモン色
のびのび出来たら、そら色で
すくすく育てば若草色
思い出を捨てる
その日まで
記憶の色に染まる紙
過ぎ去った
時間の結晶
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)