日々、折り紙/まーつん
 
 この折り紙を広げたら
 思い出がひとつ
 消えていく

 ここは
 思い出の小部屋
 一日の最後に訪れて
 折り紙を一つ置いていく

 その日、私が
 過ごした時間が
 一つの形になって
 残されていく

 今まで過ごした
 いい日も、悪い日も
 いろいろな色や形となって
 壁の棚に並んでいる

 時々、そんな
 過去の思い出を
 手に取って眺めてみる

 風と共に
 野を駆けた日の記憶は
 野生馬を象った
 焦げ茶色の折り紙

 ノートの陰から
 あの娘を見つめて
 胸を焦がした日の記憶は
 淡いピンクのハート形

 喧嘩に負け
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