時間のとびかた/yuugao
 
駅の向こう側
握り拳のような眼球
脚が六本になって
蟹のような歩き方になってた

影が動くというよりは
太陽のほうがもっと動いている感じ
でもね 畳の日焼けを追いかけるようになると
いつのまにか
太陽よりも忙しくなる

そんなとき
あなたの背景から
子供のころの畳が見えたから
なんだかとても
懐かしい気分になる

天井は忘れたころに近くなる
窓際にある紙芝居のような小窓には
飛んでいったはずの時間が
そっと横たわっているときがある

この部屋の節目を見つめたら
あなたの目と繋がるような気がする
目盛りを刻んだあなたの目なら
時間がストップウォッチの代わりになるね きっと
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