脳にある瘡蓋/yuugao
いつもより長い爪からの予感
すでにもう完結した話や
いますぐにも完結する話なんかより
いつにでもまた再開できる話のほうがいい
たとえ馴染みのルートであっても
いつもと知れた中身が
じわじわ流れ出す様を眺めている
それも案外 悪くない
ひらがなに逃げるより
カタカナに逃げたい気持ち
でも どっちみち最後には
どうせ 言語にやられる
かさぶたの一部であったのに
カサブタに 牙を剥いた爪の
その本分を知らない
いつものアウトロ
そのたび 重複される二重思考
懐郷病のような セルフリクエスト
生まれたてへの憧れ
爪の化粧が剥がれても
そう容易く実感 転がってはいない
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