ない日記の感想/渡邉建志
かもしれない。わたしはたぶんずっと恋をしているのだけれど、でもその恋はあの人をほしいという恋ではない。「生ける詩」に近づいてそれを自分のものにしたいという欲求をわたしはどうしても持てない。それでもその人の道筋をきちんと追っていきたいなと思う。この2009年なんていう年に、まだこんな人が、こんな風に生きているということじたいが、奇跡みたいなことだと思う。生きていてほしい。あの人が夢から覚めるということもまた、悲しいことなのだけれど。わたしが恋焦がれているあの人の夢にしても、あの人にとっては人生の短い一段階、数年のことに過ぎなかったのかもしれない、とも思う。
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