ユミ首/鯉
らその光景を見ていたのは確かであるが猿共は自業自得で死んだのだからこれは全く以て見当違いの話である。猿の亡霊は早急に猿のもとへ去るのだ。猿首は依然微苦笑のままである。俺は涙目になりながら猿首を睨み付けている。箸をヒョイと持ち上げて猿首に向けると些か狼狽した風でないこともない。彼の最期に見たであろう刺股を連想したのか、猿首はユミちゃんの顔になって悲しそうな表情をしやがったのである。俺は夜気と怒気がぶつかるのを感じながら箸を持ち直してユミちゃんの猿首の耳をつまんだ。猿首は僅かに吐息を漏らした。俺は勃起した。更に摘まみ上げる。ユミちゃんが苦悶の表情を浮かべる。俺はグヘヘと声を出す。ジッパーに陰茎が当たって痛い。俺は猿首改めユミちゃん首略してユミ首をどうにか窓から引きずり込んでイラマチオした。射精するとユミ首はしなしなと落下し畳に根を張った。やがて有り余るユミ首の実と種を成らせて、ユミ首はだんだんと顔を老いさせて枯れていった。俺はほろ苦い悲しみを胃の奥で感じながら首の根本を掻いた。
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