列挙する能力 詩と向き合う/葉leaf
血が流れた、青髭の家で、――屠殺場で、――円形競技場で。(「大洪水のあと」ランボー、宇佐美斉訳、『イリュミナシオン』所収)
文章には流れがあります。それは、時系列に沿ったストーリーの流れであったり、論理を積み立てていく論証のながれであったり、思いついたことに即して筆に随い続いていく自然な心情の流れであったりします。これらのストーリーの流れ、論証の流れ、心情の流れによる文章の進行を「縦の進行」と呼びましょう。この縦の進行は、人間の思考・感情の流れに自然に即したもので、このような精神の進行はそれほど抵抗をうけません。
それに対して、引用部のように、ストーリーや論証との関係で同じ位置にある
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