鏡の前の詩人/
まーつん
優しい言葉を書き殴る
恨みの滲むペン先で
心を繕う紙切れで
爛れた肌は隠せない
冷たい文字を書き流す
泉に溜まった涙から
紙を流れる心の小河
運ぶ落ち葉に君を乗せ
乾く言葉に火をつける
燃え盛り猛る紙の城
机上の王は逃げ遅れ
跳ね橋の縁を転げ落ち
天に言葉を投げつけても
星の元には届かない
この空の下に
閉じ込められた想いが
雨となって降り注ぐ
口を開ける大地に
(2013.11.20)
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