縁の側で/龍九音
 


家の中なのか外なのかわからない
縁側と呼ばれる曖昧な場所がある
バルコニーやらベランダとは違う
人が一息つける場所
今はあまり見なくなった


同じような場所がある
家の中のパソコンだ

家にいながら外の世界を知ることが出来る
家にいながら誰かと話ができる

顔も知らない 声も知らない
見知らぬ人がそこにいる
リアルだとか仮想だとかの前に
そこには確かに人がいる

小さな縁の輪が大きな縁の輪となってそこにある

今日も僕は薄めのコーヒーを飲みながら
縁の側で外を見る
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