山椒魚/消しゴム
 

 ちべたい ちべたい 水の底から
 お空をつかもうとする

 でも、おいらは手足が短いから、うんと伸ばしても届かない。
 でも、いつか、絶対につかむんだ。

 必死につかもうとして、どんどんどんどん どんよくになって。
 必死につかもうとして、どんどんどんどん 底へ落ちていく気がする
 底が見えない、底へと。

――それは、嫌だ!

 もがいてもがいて上とも分からない上を目指す。
 もがいてもがいてほんの少しでも底からはなれたいとねがう。
 水は、冷たいから。

 だから、おいらはお空をつかんでみたいんだ。
 おいらのいる水の世界と同じ青なのに、あったかそうな、感じがするから。

 気が付けば、りくの上。

――あぁ、お空だ・・・

 手をのばしてみる。
 けど、届かなかった。

 そして、別の”そら”へと登り始める。 
 
 
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