街まではまだずいぶんあるから/天野茂典
 
  雪がふる
  アンテナをしならせて
  雪がふる
  裸になった木々が
  山の奥くまでみせてくれる
  雪は降る
  しずかにふる
  木綿のハンカチも雪に埋もれた
  温まっておいでよ
  街まではまだずいぶんあるから
  旅人よ
  四方山話を
  してっておくれ
  この暖炉に温まって
  
戻る   Point(1)