街まではまだずいぶんあるから/
天野茂典
雪がふる
アンテナをしならせて
雪がふる
裸になった木々が
山の奥くまでみせてくれる
雪は降る
しずかにふる
木綿のハンカチも雪に埋もれた
温まっておいでよ
街まではまだずいぶんあるから
旅人よ
四方山話を
してっておくれ
この暖炉に温まって
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